小論文は、思いついた順に書くと主張と結論がずれやすくなります。
序論・本論・結論の役割を押さえ、伝わる構成を作ってから書き始めましょう。
先に型を決めると、答案全体の筋道を保ちやすくなります。
小論文は、書き始める前に勝負が決まることがあります。本文を書く前に、問い、立場、理由、具体例をメモで整理しましょう。
小論文の基本構成とは
小論文の基本構成は、序論、本論、結論です。

序論で立場を示し、本論で理由や根拠を説明し、結論で主張をまとめます。
この型があると、何をどこに書くかが明確になり、文章が崩れにくくなります。
構成は答案の設計図になる
小論文では、思いついた順に書くと、途中で話が広がりすぎることがあります。
最初に構成を決めることで、問いに対する答え、理由、具体例、結論を整理できます。
構成を決めると、何をどこに書くかが明確になるため、文章が崩れにくくなります。
- 序論で立場を示す
- 本論で理由を説明する
- 具体例で支える
- 結論で主張をまとめる
| 構成 | 役割 | 書く前に決めること |
|---|---|---|
| 序論 | 立場を示す | 問いにどう答えるか |
| 本論 | 理由や根拠を説明する | なぜそう考えるか |
| 具体例 | 主張を支える | どんな事実や経験を使うか |
| 結論 | 主張をまとめる | 最後に何を言い切るか |
構成は、文字数によって細かさを調整します。
600字なら理由を絞り、1200字なら反対意見や複数の根拠まで入れられます。
| 文字数 | 構成の目安 |
|---|---|
| 600字 | 序論、理由1つ、具体例、結論 |
| 800字 | 序論、理由2つ、具体例、結論 |
| 1200字 | 序論、理由、具体例、反対意見、対応策、結論 |
| 資料型 | 資料の読み取り、主張、考察、結論 |
文字数別に考える時は、段落数だけでなく、どの部分にどれくらい字数を使うかも決めておきます。
序論が長すぎると本論が薄くなり、具体例が長すぎると結論が弱くなります。
| 文字数 | 序論 | 本論 | 結論 |
|---|---|---|---|
| 600字 | 80〜120字 | 380〜440字 | 80〜120字 |
| 800字 | 100〜150字 | 520〜600字 | 100〜150字 |
| 1200字 | 150〜220字 | 800〜900字 | 150〜220字 |
字数配分は絶対ではありませんが、目安を持っておくと、背景説明や具体例に字数を使いすぎる失敗を防ぎやすくなります。
序論・本論・結論の役割
序論、本論、結論にはそれぞれ役割があります。

序論では問いに対する自分の立場を示します。本論ではその理由や具体例を説明します。結論では全体をまとめます。
役割を分けることで、同じことを何度も書いたり、途中で主張が変わったりする失敗を防ぎやすくなります。
それぞれの役割を混ぜない
序論で背景説明を長く書きすぎると、主張が見えにくくなります。
本論で具体例だけを長く書くと、なぜその例が主張を支えるのかが分からなくなります。
結論で新しい話題を出すと、文章全体のまとまりが崩れます。
役割を分けると、同じことを何度も書く失敗を避けやすいです。
| 部分 | 書く内容 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 序論 | 立場や問題意識を示す | 背景説明だけで終わる |
| 本論 | 理由、根拠、具体例を書く | 具体例だけが長くなる |
| 結論 | 主張をまとめる | 新しい論点を出す |
構成が崩れやすい状態
- 序論で結論が見えない
- 本論で具体例だけが続く
- 結論で急に新しい話を出す
- 最初と最後で立場が変わる
役割を混ぜないためには、段落ごとに「この段落は何をする場所か」を決めてから書きます。
段落の役割が曖昧なまま書くと、同じ話を繰り返したり、結論で急に別の話題を出したりしやすくなります。
| 段落 | 最初に決めること |
|---|---|
| 序論 | 問いに対する立場 |
| 本論1 | 主張を支える理由 |
| 本論2 | 具体例や資料の読み取り |
| 補足 | 反対意見や課題への対応 |
| 結論 | 問いに戻る一文 |
段落ごとの役割が分かりにくい時は、各段落を一文で要約してみましょう。
要約した時に同じ内容が続くなら重複が多く、問いと関係ない要約になるなら構成がずれています。
| 段落の要約 | 判断 |
|---|---|
| 私は地域で支える仕組みが必要だと考える | 序論として使える |
| 家族だけでは介護負担が大きい | 理由として使える |
| 祖母の介護で家族が疲れていた | 具体例として使える |
| だから訪問看護や相談体制が必要だ | 結論として使える |
この確認をすると、本文を書く前に「同じ話を繰り返していないか」「結論が問いに戻っているか」を見つけやすくなります。
意見・理由・具体例を組み立てる方法
小論文では、自分の意見を理由と具体例で支える必要があります。

意見だけでは感想に近くなり、具体例だけでは主張が見えにくくなります。
意見、理由、具体例の3つがつながると、読み手に伝わる答案になります。
意見だけでも具体例だけでも足りない
「地域医療は大切だと思う」だけでは、なぜ大切なのかが分かりません。
一方で、家族の介護経験だけを長く書いても、設問に対する主張が見えなければ小論文として弱くなります。
意見、理由、具体例をセットで組み立てましょう。
意見・理由・具体例がそろうと、主張に説得力が出るのです。
- 自分の立場は明確か
- 理由は主張を支えているか
- 具体例はテーマに合っているか
- 結論は問いに戻っているか
意見だけで終わっていた答案を直したケース
- 高齢者を支えることは大切だと思います。
- 家族の支えが必要です。
- 地域全体で助け合うべきです。
- 高齢化が進む中で、家族だけに介護負担を任せることには限界があると立場を決めた。
- 理由として、在宅医療では患者本人だけでなく家族の不安も大きいことを示した。
- 祖母の介護経験は、地域医療や訪問看護の必要性を説明する具体例として使った。
かに先生のコメント
小論文では、意見を述べるだけでなく、理由と具体例で支える必要があります。
意見、理由、具体例がつながっているかは、本文を書く前のメモで確認できます。
次のように並べてみて、理由や具体例だけが主張から浮いていないかを見ましょう。
| 項目 | つながっている状態 | ずれている状態 |
|---|---|---|
| 意見 | 地域医療の連携が必要 | 高齢者支援は大切 |
| 理由 | 家族だけでは負担が大きい | 優しくするべき |
| 具体例 | 在宅医療、訪問看護、相談体制 | 祖母が大変そうだった |
| 結論 | 地域で支える仕組みを整える | 思いやりを持ちたい |
課題文型・資料型で構成を変える考え方
課題文型や資料型では、与えられた文章や資料を読み取る必要があります。

そのため、いきなり自分の意見を書くのではなく、課題文や資料の要点を踏まえて構成を作ります。
テーマ型と同じ感覚で書くと、設問の条件を外してしまうことがあります。
形式によって最初に入れる情報が変わる
課題文型では、筆者の主張を踏まえたうえで自分の意見を書く必要があります。
資料型では、グラフや表から読み取れる特徴を示したうえで考察します。
テーマ型では、設問に対する自分の立場を早めに示します。
形式によって、構成の最初に入れる情報が変わることがあります。
| 形式 | 構成で注意すること |
|---|---|
| 課題文型 | 筆者の主張を踏まえる |
| 資料型 | データの特徴を読み取る |
| テーマ型 | 自分の立場を明確にする |
| 要約型 | 要約と意見を混ぜない |
形式別で起きやすい失敗
- 課題文型で筆者の主張を無視する
- 資料型で数字を説明するだけになる
- テーマ型で立場を曖昧にする
- 要約型で自分の意見を混ぜる
形式が変わると、構成メモの最初に置く情報も変わります。
テーマ型なら立場を早めに決めますが、課題文型では筆者の主張を踏まえることが先になります。
| 形式 | 構成メモの作り方 |
|---|---|
| テーマ型 | 問い、立場、理由、具体例、結論 |
| 課題文型 | 筆者の主張、設問の要求、自分の立場、理由 |
| 資料型 | 資料から読める特徴、原因の考察、自分の主張 |
| 要約型 | 筆者の主張、根拠、結論を分けて整理 |
| 講義理解型 | 講義の要点、設問、意見、根拠 |
構成メモの作り方
小論文を書く前に、構成メモを作ると本文が書きやすくなります。

メモでは、立場、理由、具体例、結論を短く書きます。
構成メモは、きれいな文章で書く必要はありません。本文を書く前に、論点のズレを防ぐための道具です。
メモは短い言葉で作る
構成メモに長い文章を書きすぎると、本文を書く時間が足りなくなります。
「立場」「理由1」「理由2」「具体例」「結論」を短く書き、本文で肉付けしましょう。
構成メモは、本文を書く前に論点のズレを防ぐ道具です。
- 問いを確認
- 立場を書く
- 理由を2つ出す
- 具体例を選ぶ
- 結論を決める
| メモ項目 | 書くこと |
|---|---|
| 問い | 何について答えるのか |
| 立場 | 賛成、反対、必要性など |
| 理由 | 主張を支える根拠 |
| 具体例 | 社会課題、資料、経験 |
| 結論 | 問いへの最終回答 |
構成メモで環境答案を整理したケース
- 環境問題について、思いついた順に書いていた。
- 川清掃の経験が長くなり、結論が見えにくかった。
- 個人の意識の話だけで終わっていた。
- 問いを、ごみ問題を地域でどう減らすかに置き換えた。
- 理由を、個人の意識だけでは継続しにくいこと、行政や企業の仕組みが必要なことに分けた。
- 川清掃の経験は、地域で続く仕組みが必要だと示す具体例にした。
かに先生のコメント
構成メモを作ると、経験をどこで使うか、どの主張を支えるかが見えやすくなります。
構成メモは、答案を書く前の下書きではなく、ズレを防ぐための確認表です。
本文の文章を先に作るのではなく、短い言葉で論理の流れだけを置きます。
| メモ | 書き方の例 |
|---|---|
| 問い | ごみ問題を地域でどう減らすか |
| 立場 | 個人の意識だけでなく仕組みが必要 |
| 理由1 | 清掃しても一定期間でごみが戻る |
| 理由2 | 行政、企業、地域の役割分担が必要 |
| 具体例 | 川清掃、回収制度、容器設計 |
| 結論 | 続く仕組みを作ることが重要 |
構成メモを作ったら、本文にする前に「主張と理由の向き」がそろっているかを見ます。
たとえば、主張が「地域の仕組みが必要」なのに、理由が「一人ひとりが気をつけるべき」だけだと、主張を十分に支えられません。
| 主張 | 合う理由 | 合わない理由 |
|---|---|---|
| 地域で支える仕組みが必要 | 家族だけでは負担が大きい | 優しさが大切だから |
| ICT教育には支援体制が必要 | 家庭環境で学習環境に差が出る | 便利だから |
| AI活用には倫理面の検討が必要 | 判断過程が見えにくい場合がある | 最新技術だから |
構成でよくある失敗例
構成でよくある失敗は、結論が途中で変わること、理由が主張とつながっていないこと、具体例が長すぎることです。

構成が崩れると、文章全体が読みにくくなります。
本文を書く前に構成のズレを止める
構成が崩れる原因は、書く前に主張を決めきれていないことが多いです。
また、使いたい具体例が先にあり、それに引っ張られて主張が変わることもあります。
構成の失敗は、本文を書き始める前に防ぐことができます。
構成で注意すること
- 結論が最初と最後で変わる
- 理由が主張を支えていない
- 具体例だけが長い
- 問いに答えていない
- 反対意見を書きすぎる
| 失敗 | 見直し方 |
|---|---|
| 結論が変わる | 最初に立場を一文で決める |
| 理由が弱い | なぜそう考えるかを補う |
| 具体例が長い | 主張に必要な部分だけ残す |
| 問いからずれる | 設問の動詞に戻る |
構成で迷った時は、修正の優先順位を決めます。
表現をきれいにする前に、問い、主張、理由、結論の順で直してください。
| 優先度 | 直すこと |
|---|---|
| 高 | 設問に答えているか |
| 高 | 主張が一文で言えるか |
| 中 | 理由が主張を支えているか |
| 中 | 具体例が長すぎないか |
| 低 | 言い回しや文末表現 |
次に小論文の書き方を確認する
基本構成を理解したら、次は実際の書き方を確認しましょう。

設問を読み取り、主張を決め、根拠と具体例を入れて文章にしていきます。
次は構成を本文へ落とし込む
構成メモができても、本文で設問からずれたり、理由と具体例がつながらなかったりすることがあります。
このあとは、設問の読み取り、主張の決め方、根拠の入れ方を本文でどう使うかを整理します。
次は、構成を本文に落とし込む段階です。
構成メモを作っても本文でズレる場合は、問い、主張、理由、具体例の順番を一緒に確認してから書き直しましょう。
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まとめ
いかがでしたか?

小論文は、文章のうまさだけで決まる試験ではありません。設問を読み取り、主張、理由、根拠をつなげて答える準備が必要です。
ここまで読めているあなたは、ただ書く量を増やす前に、答案の型や見直し方を確認できています。次は、志望校の出題形式に合わせて、実際に書いて直す練習へ進みましょう。
一人で答案のズレに気づきにくい場合は、学校の先生や信頼できる大人、専門の塾に添削を相談するのも一つの方法です。
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