自己PRで「責任感があります」だけを話しても、強みは伝わりません。
総合型選抜の面接では、強みが出た経験と大学での活かし方まで説明する必要があります。
自己PRは、すごい実績を並べる場ではありません。自分の強みが出た場面を、大学での学びにつなげて話しましょう。
面接で自己PRを聞かれる理由
面接官が自己PRを聞くのは、受験生の強み、行動の特徴、入学後の可能性を知るためです。

単に長所を聞いているのではなく、大学で学ぶ姿勢や周囲との関わり方も見られます。
自己PRは、志望理由と並んで、受験生らしさが出やすい回答です。
強みから入学後の可能性を見る
総合型選抜の自己PRでは、「私はこういう人です」で終わると弱くなります。
その強みを、大学での学び、ゼミ、実習、課外活動、将来像にどう活かせるかまで話す必要があります。
自己PRは、入学後にどう成長できるかを伝える回答です。
- 自分の強み
- 強みが出た経験
- そこから学んだこと
- 大学でどう活かすか
- 志望理由とのつながり
| 面接官が見ていること | 弱い状態 | 強い状態 |
|---|---|---|
| 強みの根拠 | 性格説明だけ | 具体的な場面がある |
| 行動の特徴 | 実績を並べるだけ | 何を考えて動いたかがある |
| 学び | 頑張りましたで終わる | 経験から得た気づきがある |
| 入学後の可能性 | 大学とつながらない | 学びや活動への活かし方がある |
自己PRを聞かれた時、面接官は「この受験生はすごい実績を持っているか」だけを見ているわけではありません。
むしろ、総合型選抜では、経験の中でどのように考え、どう行動し、入学後にどう学びそうかが見られます。
そのため、実績の規模が大きくても、本人の考えが見えなければ弱くなります。
反対に、小さな経験でも、行動の理由や学びが明確なら自己PRとして使えます。
自己PRは、実績の大きさではなく行動の中身を見せる回答です。
| 経験の種類 | 面接で見せたい中身 |
|---|---|
| 部活動 | 課題にどう向き合ったか |
| 委員会 | 周囲とどう調整したか |
| 家庭内の役割 | 相手に合わせて何を工夫したか |
| 授業内探究 | 疑問をどう深めたか |
| ボランティア | 現場で何に気づいたか |
自己PRで使う経験は、目立つ順ではなく、面接で説明しやすい順に選びます。
実績が大きくても、本人の考えや行動を説明できなければ、自己PRとしては弱くなります。
| 優先して選ぶ経験 | 理由 |
|---|---|
| 自分で考えて行動した経験 | 強みの根拠を話しやすい |
| 志望分野につながる経験 | 入学後の学びへ接続しやすい |
| 困難や改善がある経験 | 深掘り質問に答えやすい |
| 学びや変化がある経験 | 成長可能性を示しやすい |
自己PRの答え方の基本構成
自己PRは、強み、具体的な経験、学び、大学での活かし方の順で話すと分かりやすくなります。

最初に強みを言い、その後に根拠となる経験を話しましょう。
長く話しすぎると要点がぼやけるため、面接では一つの強みに絞るのが基本です。
強みは一つに絞って話す
自己PRで「行動力も協調性も継続力もあります」と複数の強みを並べると、印象が薄くなります。
まずは、志望分野や大学での学びにつながりやすい強みを一つ選びましょう。
自己PRでは、結論と根拠のセットが必要です。
- 強みを一言で言う
- 経験を具体的に話す
- 学んだことを伝える
- 大学での活かし方へつなげる
| 順番 | 話す内容 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 強み | 相手に合わせて工夫できる |
| 2 | 経験 | 弟の学習支援で説明方法を変えた |
| 3 | 学び | 教え方で意欲が変わると学んだ |
| 4 | 活かし方 | 教育心理や特別支援教育で深めたい |
自己PRの回答時間は、長くしすぎないことも重要です。
最初の回答では、強みと根拠を短く伝え、詳しい説明は深掘りされた時に補足します。
たとえば、「私の強みは相手に合わせて工夫できることです」と最初に言うだけで、面接官は話の方向を理解しやすくなります。
最初の回答に全部入れず、深掘り用の材料を残すと自然に話しやすくなります。
| 最初に話すこと | 深掘りされたら話すこと |
|---|---|
| 強みの結論 | なぜその強みだと思うか |
| 代表的な経験 | 活動の詳しい背景 |
| 学んだこと | 困った場面や改善したこと |
| 大学での活かし方 | 具体的な授業や活動 |
強みと具体的な経験をつなげる方法
強みを伝える時は、その強みが出た場面を選びます。

「協調性があります」だけではなく、誰とどのように関わり、何を工夫したのかを話しましょう。
面接官は、強みの名前ではなく、行動の中身を聞いています。
強みが出た瞬間を切り出す
自己PRでは、活動全体を説明するより、強みが出た場面を具体的に話した方が伝わります。
部活動であれば、試合結果よりも、練習参加率が下がった時にどう動いたか。
ボランティアであれば、活動名よりも、相手と関わる中で何に気づいたかが重要です。
強みは、具体的な場面があると信頼されやすいです。
| 強み | 話すべき経験 |
|---|---|
| 行動力 | 自分から動いた場面 |
| 継続力 | 困難でも続けた場面 |
| 協調性 | 周囲と調整した場面 |
| 探究心 | 疑問を深めた場面 |
| 傾聴力 | 相手の変化に気づいた場面 |
部長経験を自己PRにしたケース
- 部活動で部長を務めました。
- リーダーシップを発揮しました。
- チームをまとめる力があります。
- 練習参加率が下がった時期に、後輩と個別に話す時間を作った。
- 練習メニューを見直し、参加しやすい雰囲気を作った。
- リーダーシップを、役職名ではなく課題への行動として説明できるようになった。
かに先生のコメント
役職名そのものより、課題に対してどう動いたかを話すと、強みが伝わりやすくなります。
RYさんは「部長でした」で終わらせず、参加率が下がった時に後輩へ声をかけ、練習の雰囲気を変えた場面を出せました。強みが出た瞬間が見える自己PRになっています。
強みと経験をつなげる時は、抽象語をそのまま使わないようにしましょう。
「協調性」「責任感」「行動力」は便利な言葉ですが、そのままだと誰でも言えてしまいます。
面接では、抽象語を具体的な行動に置き換える必要があります。
| 抽象的な強み | 具体的に見せる行動 |
|---|---|
| 協調性 | 意見が割れた時に調整した |
| 責任感 | 途中で投げ出さず役割を続けた |
| 行動力 | 課題に気づいて自分から動いた |
| 傾聴力 | 相手の変化に気づいて声をかけた |
| 継続力 | 方法を変えながら続けた |
抽象語を具体化する時は、場面、行動、結果、学びの順に分けると整理しやすくなります。
「協調性があります」と言う前に、協調性が必要になった状況を思い出しましょう。
| 整理する項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 場面 | どんな課題や困りごとがあったか |
| 行動 | 自分が具体的に何をしたか |
| 結果 | 周囲や状況がどう変わったか |
| 学び | その経験から何を大切にするようになったか |
活動実績が少ない場合の自己PRの作り方
活動実績が少ない場合でも、自己PRは作れます。

大会実績や役職がなくても、継続したこと、工夫したこと、失敗から改善したことは材料になります。
総合型選抜では、実績の大きさだけでなく、経験をどう意味づけるかが見られます。
大きな実績がなくても材料はある
自己PRの材料は、部活動や生徒会だけではありません。
家庭内での役割、授業内探究、委員会、文化祭、アルバイト、趣味の継続、友人を支えた経験なども、整理すれば自己PRにつながります。
自己PRでは、実績の大きさより行動の中身を見ることが大切です。
実績が少ない時の材料
- 地道に続けたこと
- 自分なりに工夫したこと
- 周囲を支えた経験
- 失敗から改善した経験
- 身近な疑問を調べた経験
家庭内の経験を教育系の自己PRにしたケース
- 部活動の実績や生徒会経験がない。
- 弟の宿題を見ていただけなので、自己PRにはならないと思っていた。
- 教育学部志望の理由も、子どもが好きで止まっていた。
- 弟に合わせて、図を書いたり例を変えたりして説明していた。
- 相手の理解に合わせて伝え方を変える力が強みだと分かった。
- 大学では教育心理や特別支援教育を学びたいという志望理由にもつながった。
かに先生のコメント
家庭内の経験でも、工夫した場面と学びを整理すれば、面接で話せる自己PRになります。
SNさんは、実績がないという不安から始まりましたが、弟に合わせて説明方法を変えていた経験を見つけられました。身近な工夫を強みに変えられた点が大きいですね。
実績が少ないと感じる人は、「評価されそうな経験」だけを探すのではなく、「自分が考えて行動した場面」を探しましょう。
面接官が知りたいのは、受験生がどのような状況で、どのように動く人なのかです。
家庭内の手伝い、友人への声かけ、授業の発表、趣味の制作などでも、自分なりの工夫があれば材料になります。
自己PRの材料は、受賞歴よりも行動の理由から見つかることがあります。
| 見落としやすい経験 | 自己PRに変える視点 |
|---|---|
| 家族の手伝い | 相手に合わせて工夫したこと |
| 友人への相談対応 | 聞く力、抱え込まない判断 |
| 趣味の継続 | 改善したこと、作品への工夫 |
| 授業内探究 | 疑問を持ち、調べた過程 |
材料が見つからない時は、いきなり自己PR文を書くのではなく、行動を掘り起こす質問から始めます。
小さな経験でも、工夫や変化があれば面接で話せる材料になります。
| 探す質問 | 見つかりやすい材料 |
|---|---|
| 最近、誰かのために工夫したことはあるか | 傾聴力、調整力、説明力 |
| 続けるために方法を変えたことはあるか | 継続力、改善力 |
| 困っている人に気づいた場面はあるか | 観察力、支援への関心 |
| 授業や探究で疑問を持ったことはあるか | 探究心、問題意識 |
志望分野・大学での学びにつなげる方法
自己PRは、強みを話して終わりではありません。

その強みを、大学での学びや入学後の活動にどう活かすかまで話すと、総合型選抜らしい回答になります。
志望理由と自己PRがつながると、面接全体の一貫性も強くなります。
強みを入学後の行動へつなげる
たとえば、教育学部志望で「相手に合わせて説明を工夫できる」という強みがあるなら、教育心理や特別支援教育への関心につなげられます。
心理学部志望で「人の話を丁寧に聞ける」という強みがあるなら、相談支援や対人理解への関心につなげられます。
自己PRは、入学後の学びにつながることで強くなります。
- 強み
- 経験
- 学んだこと
- 大学での活かし方
| 強み | 志望分野へのつなげ方 |
|---|---|
| 聞く力 | 心理、福祉、教育の対人支援へつなげる |
| 説明を工夫する力 | 教育、看護、保育の学びへつなげる |
| 課題を見つける力 | 社会学、政策、経営へつなげる |
| 継続力 | 研究、資格取得、実習への姿勢へつなげる |
志望分野につなげる時は、強みをそのまま褒め言葉で終わらせないようにします。
大学での学びや実習で、どのように活かしたいかまで言えると、自己PRが志望理由とつながります。
| 強み | 入学後へのつなげ方 |
|---|---|
| 相手に合わせて説明する力 | 教育心理や特別支援教育で、理解に合わせた支援を学びたい |
| 話を丁寧に聞く力 | 心理・福祉の学びで、相談支援の基礎を身につけたい |
| 課題に気づく力 | 地域課題を調査し、改善策を考える学びに活かしたい |
| 続けて改善する力 | 実習や資格学習でも、振り返りながら成長したい |
自己PRが志望理由とまったく別方向になっている場合は、どの強みを前面に出すかを見直しましょう。
自己PRでよくあるNG回答
自己PRでよくある失敗は、抽象的な強みだけを話すことです。

また、実績を並べるだけで、そこから何を学んだのかが見えない回答も弱くなります。
面接官は、受験生のすごさだけでなく、入学後にどう学び、どう成長しそうかを見ています。
すごさのアピールだけでは弱い
「全国大会に出ました」「部長でした」「ボランティアをしました」と言えても、それだけでは自己PRとして十分ではありません。
その経験の中で、自分が何を考え、どう行動したのかを話す必要があります。
自己PRは、すごさのアピールではなく自分の特徴の説明です。
NGになりやすい回答
- 強みの名前だけで終わる
- 活動実績を並べるだけ
- 志望分野と関係がない
- 話が長すぎる
- 書類と内容がずれる
| NG回答 | 改善の方向 |
|---|---|
| 責任感があります | 責任感が出た場面を話す |
| 部長として頑張りました | 何に困り、どう行動したかを話す |
| ボランティアをしました | そこで何を見て、何を学んだかを話す |
| 人の役に立ちたいです | どんな人をどう支えたいかを話す |
回答を自然に話す練習方法
自己PRは、丸暗記すると不自然に聞こえることがあります。

回答の流れを覚え、実際には自分の言葉で話す練習をしましょう。
特に、自己PRは「自分を良く見せたい」という意識が強くなりやすいため、硬い言葉になりすぎないよう注意が必要です。
文章ではなく要点を覚える
自己PRの練習では、全文を暗記するより、話す順番と要点を覚える方が自然です。
最初の一文だけ決めておき、その後は経験、学び、大学での活かし方を順番に話します。
自然に話すには、文章ではなく要点を覚えることが効果的です。
- 最初の一文を決める
- 経験を短く話す
- 長すぎる表現を削る
- 深掘り質問を想定する
- 録音して聞き直す
自己PRが実績説明だけだったケース
- ボランティア活動を継続しました。
- 地域のために活動しました。
- 人の役に立つことが好きです。
- 活動を続ける中で、相手が安心して話せる雰囲気づくりを意識していた。
- 支援は一回の善意ではなく、継続できる仕組みが必要だと気づいた。
- 大学では地域福祉や相談援助を学びたいという志望理由にもつながった。
かに先生のコメント
自己PRは、活動量の説明ではなく、その活動の中で見えた自分の強みと学びを話すと伝わりやすくなります。
FKさんは、ボランティアを続けた事実だけでなく、相手が安心して話せる雰囲気づくりを意識していたことまで整理できました。活動の中で見えた強みが伝わる回答になっています。
練習する時は、自己PRを3段階で話せるようにしておくと便利です。
短く聞かれた時は30秒程度で答え、深掘りされた時に具体例を補足します。
時間を変えて練習しておくと、面接官の聞き方に合わせて調整しやすくなります。
自己PRは、短くも詳しくも話せる状態にしておくと本番で崩れにくくなります。
| 回答時間 | 話す内容 |
|---|---|
| 30秒 | 強み、代表経験、大学での活かし方 |
| 1分 | 強み、経験、工夫、学び、活かし方 |
| 深掘り時 | 困ったこと、具体的な行動、変化 |
まとめ
いかがでしたか?

面接で自己PRを聞かれた時は、実績を並べるだけではなく、強みが出た場面、そこで考えたこと、大学でどう活かすかまで話すことが大切です。
ここまで読めたあなたは、自己PRで見せるべきものが「すごさ」だけではないと分かったはずです。次は、作った回答を模擬面接で実際に話し、長さや伝わり方を確認していきましょう。
本番形式で自己PRを試す
自己PRは、書いた時には良く見えても、話すと不自然に聞こえることがあります。
模擬面接では、強みが伝わるか、具体例が短いか、大学での学びにつながるかを確認しましょう。
次は、本番形式で回答を試す段階です。
模擬面接のやり方と本番前チェックは、以下の記事で整理しています。
自己PRが実績紹介だけになっている場合は、強み、具体例、学びを一緒に整理して、面接で話せる形に変えていきましょう。
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